昨日のプロ野球日本シリーズ第6戦、ジャイアンツがファイターズを2−0で制し、日本一の栄冠をつかみました。前回の熊澤会計ウイークリーで「MVPは阿部慎之助選手」と予想がありましたが、見事的中しました(笑)


原監督は、WBC優勝、セ・リーグ優勝、日本シリーズ優勝と3冠に輝きましたが、確かアジア一を決める大会がこの後ありましたよね?これにも勝って4冠を達成してもらいたいものです。


さて、今回の熊澤会計ウイークリーは「経営計画の策定」についてのお話になりますが、関与させて頂いて6年目になる衣服の小売店を営んでいる企業から、最近、5ヶ年の経営計画の策定の依頼がありました。


その経緯について書きますと、社長は20代後半で開業し、開業当初は5ヵ年の経営計画どころか、かなりの時間と労力を注いで3ヵ月の資金繰り計画を策定することで精一杯の状況でした。


2、3、4年目には、初年度の実績を踏まえ、損益分岐点に着目し費用を変動費と固定費に分け、商品の上代(売値)と下代(仕入値)から利益率を設定し、損益の分岐点となる目標売上高を決め、その目標をクリアしてきました。企業として伸び盛りの時期でした。


ところが5年目に入るとアパレル業界の情勢が一変し、ユニクロをはじめ量販店の猛威にさらされたこともあり、売上が減少。4年目までの関与の仕方ではどうにもアドバイスもできず、会計事務所としての限界を感じながら1年が終わった年でした。


6年目の今年に入り社長に「4年目までの良い時はいったん忘れて、5年目の実績を踏まえて何か手を打つ1年にしましょう。」と厳しい言葉をかけたところ、5ヵ年の経営計画の話が社長以下取締役から持ち上がりました。


私の経験からすると、5ヵ年の経営計画を策定するケースは、得意先が安定している企業で今後事業を拡大する場合か、事業が立ち行かなくなり銀行への借入金の返済も滞りがちになり、銀行側に借入金返済の条件変更(リスケジューリング)の計画を提出する場合がほとんどでした。


今回の5ヵ年計画は、企業が伸び盛りでもなく、かといって立ち行かない状況までではない企業に対するものです。私は、企業がこのような状況のときにこそ経営計画の策定が必要であると思っております。


その理由としては、第一に、まだ経営改善に向けて手を打つ気力、資金力が残っているためです。経営が立ち行かない状況まで追い込まれると、なかなか前向きな考えができないだけでなく、目の前の支払いに追われる精神的負担が大きくなってしまいます。


第二に、伸び盛りの時期を経て売上減少という経験を社長がしているだけに、経営計画書が良い意味で厳しく、また経験にもとづいた具体的な打ち手を経営計画書に落とし込むことができるためです。


このようにして出来上がった経営計画書は、単に数字の5年の羅列にはなりません。経営者の具体的な打ち手をもとに、会計事務所が数値化の面において手助けして完成した経営計画書となります。


大半の中小企業は、大企業のような緻密な経営計画書を策定することは自社の力だけでは困難であります。そこで我々会計事務所が、社長が考えた具体的な打ち手を数値化するお手伝いができれば、私が5年目に感じた限界から半歩踏み出せるのではないかと考えております。


塚本 俊