みなさまこんにちは。熊澤会計の熊澤斉です。忘年会シーズンに入り、みなさまも二日酔いで辛い毎朝を迎えていると思います(苦笑)


私はこれまで二日酔い対策として、お酒を飲んで家に帰ってきた時に「ウコンの力」を飲んで寝ていたのですが、今は「新ヘパーリーゼドリンク」というドリンクを飲んでから寝ています。


ウコンの力よりも効果があり、肝臓水解物という成分が二日酔いに効くらしいです。ただ、最近買ったドラックストアでは1本400円・・・ウコンの力の倍のお値段ですが、インターネットで安く売っているので今度まとめ買いしようと思っています。


さて、今回の熊澤会計ウイークリーは「所得控除から税額控除への転換」というテーマでお話したいと思います。所得控除と税額控除の違いについて、みなさんは何となくでもイメージできますでしょうか?


「民主党政策集INDEX2009(税制)・給付付き税額控除制度の導入」という項目の中で、「相対的に高所得者に有利な所得控除を整理し、必要な人に確実に支援ができる給付付き税額控除制度を導入します。」とあります。


これは、所得税がもっている「所得の再分配」という機能をより発揮するために、所得控除から税額控除への転換を民主党は主張しているものです。


(文書中の「給付付き税額控除」の「給付」については、今回は触れません。)


まず所得の再分配とは何かというと、大企業や高所得者のように所得が大きいところには、より多くの税負担をしてもらい、それを医療、年金、福祉などの社会保障給付という形で渡すことによって低所得者の生活を守るという機能のことです。


この機能を高めようと、所得控除から税額控除への転換を民主党は主張しているわけですが、では、所得控除による税額計算と、税額控除による税額計算について実際に具体的な数字を使ってみてみることにします。


【所得控除による税額計算】


扶養控除を例にあげますと、扶養1名につき所得税の計算では控除額38万円、住民税の計算では控除額33万円ですので、最も税率が高い高所得者の場合、所得税40%・住民税10%であるので、扶養1名につき(所得税380,000円×40%=152,000円)+(住民税330,000円×10%=33,000円)=185,000円が減税額になります。


一方、最も税率が低い低所得者の場合、所得税5%・住民税10%であるので、扶養1名につき(所得税380,000円×5%=19,000円)+(住民税330,000円×10%=33,000円)=52,000円が減税額になります。


この計算結果からわかるように、同じ扶養親族1名の所得控除でも、高所得者と低所得者の減税額の差は年間で133,000円にもなります。このように所得控除は、結果的に高所得者に有利な制度になるわけです。


【税額控除による税額計算】


これに対して、税額控除は所得の高低(税率の高低)には関係なく、例えば扶養1名につき50,000円の減税とか100,000円減税とか、一律で減税するという制度です。


税額控除の金額がいくらになるかは、近々発表されるであろう民主党税制調査会の税制改革大綱で示されると思いますが(次年度以降へ先送りかもしれませんが)、所得控除から税額控除への転換をするという政策は、中・低所得者にとっては有利になり、高所得者の税負担は増えると予想されます。


これにより、所得の再分配機能が働き、弱者救済、下への格差拡大を食い止めます!というのが表向きの主張でしょうが、税額控除への転換は実際のところ、こども手当の財源確保であったり、高所得者など取れるところから税金を取るということなんでしょうか。


高所得者からこんな意見が聞かれそうです。


「確かに所得控除は自分達に有利かもしれない。だけれども、汗流して一生懸命働いて稼いだお金で、そもそも所得の50%も税金で払っているのだから、税額控除は勘弁してよ・・・。」


と。


私は個人的に、このような意見も理解できますし、弱者救済・格差拡大抑制のためということも理解できます。


税制に限りませんが、何か政策をひとつ決めるにあたって、その政策によって損する人と得する人がいるわけで、両者がハッピーになるような政策ではない場合、結局その政策の落とし所をどこにもっていくかが非常に難しいところです。


私は税制を議論する程のスキルも全くないですし、立法者の立場にもありません。定められた税制をよく理解し、わかりやすく納税者に説明し、正確に税額計算をすることが我々実務に携わる人間の仕事です。


民主党政権になってガラっと税制が変わることも予想されます。近々発表される税制改正大綱の内容をよく理解して、熊澤会計ウイークリーでまたみなさまにお話したいと思っております。


熊澤 斉