先日、社会福祉法人新会計基準(H23年基準)移行研修会に
参加して来ました。


従来は社会福祉事業については原則、旧会計基準(H12年基準)を
適用とのことでしたが、運用実態は指導指針・就労支援事業会計
処理基準・授産施設会計基準や経理規定準則など、複数の会計
ルールが併存しており、各事業種類により会計処理が違うことに
よる事務処理の煩雑さや法人全体の財務状況の把握や、経営分析を
する上で非常に不合理なものでした。


新しい社会福祉法人会計基準は会計ルール併存を解消し、簡素で
判り易く基準の一元化を図ったものであり、社会福祉法人の公益
事業、収益事業を含むすべての事業を適用対象とし、平成27年度
決算までに、すべての社会福祉法人に対し新会計基準を適用した
財務諸表の作成を義務付けるものです。


旧会計基準(H12年基準)から新会計基準(H23年基準)の主な変更点は


◎社会福祉事業・公益事業・収益事業を会計単位とし、各会計単位
 の中で経理区分が設けられていたところを、会計単位を法人に
 一元化する。
 

 社会福祉事業・公益事業・収益事業は事業区分とし、施設や事業所
 を拠点で区分を行い、拠点で実施する事業をサービス区分に分けて
 それぞれに会計処理を行う。


◎計算書類を財務諸表とし、資金収支計算書、事業活動計算書
 貸借対照表を補足する書類として現行多岐にわたる別表や明細書を
 統一し、必要最小限の附属明細書として新たに整理する。

 
 財務三表は法人全体と事業区分、拠点区分ごとの単位でも作成
 する。サービス区分別では資金収支明細書と事業活動明細書を
 附属明細書として作成するが省略要件あり。


◎4号基本金を廃止する。


◎国庫補助金等特別積立金を実態に即した計算・表示となるように
 一部取扱いを変更する。


◎引当金の範囲を徴収不能引当金・賞与引当金・退職給付引当金の
 3種類とする。


◎1年基準・金融商品の時価会計・リース会計を導入する。


などで財務諸表注記の充実化として項目の拡充も行われております。


新会計基準(H23年基準)への移行は既に平成24年4月から始まって
おりますが、現在における新会計基準(H23年基準)への移行状況は
30%を割っている状況のようです。


H12年基準を適用している法人からの移行は、それほど難しくはないと
思いますが、就労支援事業会計処理基準・授産施設会計基準や経理
規定準則などを適用している法人の移行処理は容易ではありません。


現在における当事務所の関与先については、平成24年度に移行終了し
すでに新基準での決算を完了している法人と、平成25年度に移行を
行っていて、今年度に新基準での決算を行う法人ですので、ぎりぎり
の移行となることは無いようです。


社会福祉法人に関しては、法人独自で財務諸表作成まで行っている
施設も多いようですが、会計基準の変更の義務化、情報開示の問題
的確な納税計算などを考慮すると、会計事務所などへの相談をお勧め
致します。




菅原 裕之