昨年あたりから新聞や雑誌で頻繁に「IFRS」の記事を目にするようになりました。雑誌などの冒頭ではお約束となっていますが読み方は、アルファベット読み、イファース、アイファースとなっているようです。アイファースはあまりおすすめではないようですね。


一般にはあまり浸透していないようで、税理士事務所の中でも「大企業のものだし、まだ強制適用にもなってないし…」などの認識から、詳細まで把握しているところは多くないように思われます。一般の方では本格的に投資等をやっている方等が知っている程度でしょうか。


導入の経緯としては、まずIASができて等々、色々とあったのでしょうが、結果的にEUで先行して適用されていた会計基準にアメリカはもちろん世界が取り込まれたということです。日本では2010年から任意適用が始まり、2015年ごろから強制適用になる方向で動いているようです。


従来から大企業と中小企業の会計は違う基準が適用されていたので、「大企業の基準が変わっただけではないの?」と思われる方が多いのかもしれません。


しかし、今回の大企業と中小企業の会計の違いは中小企業の会計指針の制定や近年の各種の基準の導入などとは大きく異なります。中小企業の会計指針は「本来は同じ取引なら同じ処理をするべきだけど大変だから簡便でもいいよ」という程度であったはずです。


つまり、原則となる企業会計原則は大企業であっても中小企業であっても同じでした。これは、各法律や指針が一般に公正妥当な会計基準を拠りどころとしていることからわかると思います。各種の基準の導入などによっても企業会計原則が形骸化されてきた感はありましたが、今回ばかりは形骸化を通り越してまったく別物になってしまいそうです。


世界の流れからいって、おそらく大企業への適用は避けることができないでしょう。そこで問題となってくるのが中小企業への適用です。これに関しては、最近、非上場会社の会計基準に関する懇談会が設置され本格的な議論がされるようです。
 

実務をやっている者からすると、とにかく変えるなら変える、変えたなら暫くは戻さない。混乱は最小限に抑えていただきたいものです。


そもそも向いている方向が全然違うものに同じ基準を使うことに無理があるわけで…この際、建前ばかり言っていないで、「ダブルスタンダード大いに結構、中小企業は変更なし。」でいいような気もするのですが…。


今までだって中小企業同士での比較もしてきましたし、自社の経営分析もやってきました。税金だって問題なく納めています。とにかく今は、今後の動向を見守りいつでも対応ができるような状態にしなければならないと思っています。


岡野直樹