新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


昨年は「100年に1度の経済危機」と言われた年。中小企業の経営者の皆様も大変ご苦労なさった1年であった思います。


今年に入り「景気の二番底」が来るかもしれない?との予想もありますが、この不景気を乗り越えていけるよう、我々会計事務所スタッフ全員で、皆様方の企業経営を全力で支援していきたいと思っております。


さて、新年第1回目の熊澤会計ウイークリーは「認定こども園」についてお話させて頂きます。「認定こども園」を御存知でしょうか?


幼稚園と保育園の機能を併せ持った第3の施設で


@幼保連携型:許可幼稚園と許可保育園が連携して一体的に運営
A幼稚園型:許可幼稚園に保育所的な機能を付加
B保育所型:許可保育園で共働き以外の子供も受け入れ幼稚園的な機能を付加
C地域裁量型:幼稚園、保育所いずれの許可もない教育・保育施設


上記の4タイプの施設が存在します。


認定こども園は就学前の教育・保育のニーズに対応する新たな選択肢で、「保護者が働いている・いないにかかわらず利用可能」、「集団活動・異年齢交流に大切な子ども集団を保ち、すこやかな育ちを支援」、「少子化及び就労している母親の増加により入園者が減少する幼稚園を想定し、その施設を有効活用することにより待機児童を解消する」、「充実した地域子育て支援事業で、子育て家庭を支援」することを趣旨・背景とし、平成18年10月から「就学前の子供に関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」が施行され、認定こども園制度が始まりました。


保護者の視点で考えると新たな選択肢が増えて素晴らしい制度と思えますが、法律施行後2年半の平成21年4月1日現在に於ける「こども園」の認定件数は全国でたったの358件となっています。


理想的な制度の「こども園」の設置数が増加しない理由は様々な問題があるといわれています。


開設時の申請書類が膨大で手続きが大変、会計処理が煩雑、保育園部門の保護者と園との直接契約の問題、行政からの補助制度の問題、教職員の資格・配置の問題、給食・お弁当の問題等、改善すべきことが数多くあるのが現状のようです。
 

その中でも会計処理を実務で経験してみると、かなり面倒だと実感いたしました。


まず、学校法人会計基準と社会福祉法人会計基準の二重会計の問題です。


例えば、学校法人が運営する「こども園」(幼稚園型)については幼稚園部門・保育園部門を学校法人会計基準で会計処理を行い全体としての財務諸表を作成しなければなりません。さらに保育園部門を社会福祉会計基準で会計処理を行い財務諸表を作成します。


固定資産計上基準・減価償却資産の耐用年数等、両会計基準では様々な相違点がありますが、会計処理を行う者が学校法人会計基準と社会福祉法人会計基準の両方の知識を持っていなければなりません。


また、1つの支出に関して園の配布基準等により幼稚園部門と保育園部門に区分しなければならず、1つの支出が同じ会計基準を適用しているのに、教育と保育との根本的な考えの違いから科目が違う現象が起きてしまい矛盾を感じております。


例えば前述の通り、幼稚園型の施設では学校法人会計基準での会計処理となりますが、下記のような支出があった場合、施設全体の会計処理は次の通りとなります。


ブランコ・・・300,000円 
園児数による配布割合
幼稚園50%・・・150,000円 科目名:教育研究用機器備品(固定資産計上)
保育園50%・・・150,000円 科目名:その他の機器備品 (固定資産計上)


同じ固定資産でも保育園部門に関しては教育という概念が無いため、このような矛盾が発生して
きます。


今後の認定こども園制度の会計処理については、「学校法人が保育所を運営又は社会福祉法人が幼稚園を運営する場合においても、それぞれの法人会計基準に基づく会計処理で対応を可能とす
べく検討」することとされ、平成21年度中に結論を得ることとなっていて、文部科学省も学校法人会計基準の改正を予定とあります。


子どもを取り巻く社会環境は様変わりしていますが、子どもの将来を発展させ、保護者・施設・国にとってプラスとなる制度となることを望んでおります。


菅原 裕之